車の保険、ずっと代理店さんにおまかせでした。毎年届く更新のお知らせを見て、「値上がりですね。もう少し下げてほしいです」とお願いする。あとはおまかせ。私がしていたのは、それだけでした。中身を自分で選んだことは、一度もありません。
その私が、生まれて初めて「一括見積もり」というものをやってみました。パソコンの前に座って、終わったのは2時間後。そして途中で、自分の車のことを何も知らなかったと気づかされました。
きっかけは「ライフプラン」を作ったこと
少し前に、これから先のお金の流れを表にしてみました。いわゆるライフプランです。
作ってみて気がついたのは、毎月きちんと出ていくお金のことでした。食費や電気代は「今月は使いすぎたな」と反省できるのに、保険料は反省のしようがありません。決まった日に、決まった額が、黙って出ていくだけ。しかもそれが何年も続きます。
ここを一度でも下げられたら、来年も再来年も下がったまま——そう思ったら、急に見てみたくなりました。保険屋さんの言うとおりにするのではなく、自分で選んで、自分で管理してみたい。そんな気持ちです。
インズウェブで一括見積もり。用意したものと、かかった時間
使ったのはインズウェブという一括見積もりのサイトです。1回入力すれば、複数の保険会社の見積もりがまとめて届くしくみです。
やり方を説明している動画を見ながら進めました。手元に用意したのはこの2つです。
- 車検証(車の登録番号・型式・初度登録年月などを書き写します)
- 今入っている保険の証券(等級・満期日・補償の内容を見ながら入力します)
入力そのものは、そんなに難しくありませんでした。ただ、証券の細かい字を読んで、動画を止めて、また入力して……とやっていたら、気づけば2時間。慣れている人なら30分くらいだと思います。私は初めてだったので、一つひとつ確認しながら進めました。
途中で何度も「これで合ってるのかな」と不安になりましたが、間違っていても見積もりが変わるだけで、契約になるわけではありません。そう思ったら少し気が楽になりました。
やらかしました。「連絡を了承する」のチェック
白状します。最後の画面で、やらかしました。
「保険会社からの電話・メールでの連絡を了承する」という欄に、最初からチェックが入っていたのです。動画では「ここは外してくださいね」と言っていました。ちゃんと聞いていました。聞いていたのに、そのまま送信ボタンを押しました。
押したあとで気づいて、椅子の上で固まりました。5社から電話がかかってくる。断るのが苦手なのに。
これ、前にもやりました。「絶対に押さないでください」と言われると、なぜか押してしまう。レンタルサーバーの更新をしたときも、似たようなことをやっています。学習していません。
結果:電話は1本もかかってきませんでした
結論から書きます。電話は1本もかかってきませんでした。
届いたのはメールだけです。見積もりをお願いした会社から、ひととおり「お見積もりができました」というお知らせが届きました。ただそれだけで、追いかけてくるような連絡はありません。送信から1週間以上たちますが、今も1本もかかってきていません。私が身構えていた時間は、まるまる無駄でした。
一括見積もりをためらう理由は、お金のことだけではないと思います。私の場合は、こうでした。
- 車のことがよく分からないから、詳しい人に決めてもらうしかない
- 自分で選んだら、気づかないまま必要な補償をつけ忘れているかもしれない
- 電話とメールの攻勢に、いつのまにか押し切られるかもしれない
とくに最後のが怖かったです。断るのが苦手なので。でも少なくとも私の場合は、チェックを外し忘れても、押し切られる場面そのものが来ませんでした。
もちろん会社や時期によって違うと思うので、心配な方はチェックを外してくださいね。私のように押してしまっても、世界は終わりませんでした。
車検証に走行距離が載っていること、知っていましたか
さて、ここからが今日いちばん書きたかったことです。
入力項目の中に「年間走行距離」があります。1年間で何キロ走りますか、という質問です。
私はメーターの数字を見て、買ってからの年数で割り算しました。総走行距離 ÷ 乗った年数。計算したら年間5,000kmくらいです。
ふだんは近い職場への往復だけ。休みの日は出かけますが、遠出はしません。長い時間は乗らない。だから「そんなもんだよね~」と、自分で納得して「5,000km以下」を選びました。きちんと計算したつもりでした。
その話をAIにしたときです。
「車検証や点検の記録に、そのときの走行距離が書いてありますよ。2つ並べて引き算すれば、実際に1年で何キロ走ったか出ます」
え。
車検証に走行距離が載っているなんて、知りませんでした。何年も同じ紙をダッシュボードに入れて持ち歩いていたのに、名義と有効期限くらいしか見たことがなかったのです。見ようとも思いませんでした。
あわてて引っぱり出して、点検の記録と並べてみました。そして焦りました。
| 点検の時期 | そのときの走行距離 |
|---|---|
| 令和5年8月 | 約30,200km |
| 令和7年7月 | 約34,500km |
| 令和8年9月 | 約46,000km |
令和7年7月から令和8年9月までの1年2か月で、11,000km以上走っていました。1年あたりにすると約9,900km。自分で申告した5,000kmの、ちょうど倍です。
なぜこんなにズレたのか。考えてみたら、答えははっきりしていました。コロナ禍であまり出かけなかった時期が、平均をぐっと下げていたのです。「買ってからの総距離 ÷ 年数」で出すと、あの何年かが今の私の生活にまざり込んでしまう。でも保険が知りたいのは、これから1年、私がどれだけ走るかです。
ここは声を大にして書いておきたいところです。
年間走行距離は「買ってからの総距離 ÷ 年数」ではなく、直近1年でどれだけ走ったかで出す。車検証や点検整備記録簿に書いてある走行距離を2つ並べて、引き算するのがいちばん確実です。
そして、この距離は保険料にちゃんと響きます。私の場合、ソニー損保で距離を正しく入れ直してみたら、年20,930円が25,190円になりました。4,000円以上の違いです。
高くなるのは、正直がっかりしました。でも、少なく申告したまま契約するほうが怖いです。距離のことで「話が違う」となったら、いざというときに困るのは自分ですから。ここは正直に直しました。
そしてもうひとつ、白状することがあります。
気づいたきっかけは、ソニー損保の「走った分だけ」という言葉でした。走った分だけ、ということは、距離で保険料が変わるということ。「それなら、自分の走行距離をきちんと調べたほうがいいですよ」と言われて、ようやく重い腰を上げたのです。
そのあと、届いていた見積もりを全部あらためて見直しました。そうしたら——大半の会社が、最初のほうでちゃんと走行距離を聞いていました。私が読み飛ばしていただけでした。
聞かれていないのではなく、見ていなかった。これが本当のところです。同じように「そんな欄あったかな」と思った方は、一度戻って確かめてみてください。
5社の見積もりが、こうして並びました
届いた見積もりがこちらです。条件は5社そろえました。対人・対物は無制限、人身傷害は3,000万円、車両保険はなし、年払いです。
| 保険会社 | 年間保険料 |
|---|---|
| ソニー損保 | 20,930円 |
| チューリッヒ | 21,730円 |
| SOMPOダイレクト(おとなの自動車保険) | 22,370円 |
| アクサダイレクト | 24,950円 |
| 三井ダイレクト損保 | 27,490円 |
そして今入っているのは東京海上日動の保険で、代理店を通して契約しているタイプです。金額は年60,240円でした。
並べて見たときは、しばらく画面を見つめてしまいました。半分どころではありません。もちろん車両保険を外した分も入っていますし、補償の中身やサービスも同じではないので、単純に「3分の1になった」とは言えません。それでも、2時間座っただけでこれだけの差が見えたのは事実です。
この差は1回きりではなく、来年も再来年も続きます。それが固定費を見直すということなんだと、数字を見てやっと実感しました。
やってみて思ったこと
- 用意するのは車検証と今の保険証券の2つ。これだけで始められます
- 初めてでも2時間あれば終わります(慣れた人はもっと早いはず)
- 心配していた営業の電話は、1本もかかってきませんでした(届いたのはメールだけ)
- 年間走行距離は「直近1年の実績」で。総距離÷年数は危ないです
- その走行距離は車検証や点検の記録に書いてあります。私は知りませんでした
- 見積もりを取るだけなら、契約する義務はありません
ずっと「自分には無理」「勧誘が怖い」で先延ばしにしていました。終わってみての感想は、ひとことです。もっと早くやればよかった!
それと、自分の車のことを自分が知らなかったのは、ちょっとこたえました。走った距離も、載っている紙も、ずっと手元にあったのに。おまかせにしているというのは、こういうことなんだなと思いました。
次回:どこに決めたか、どの補償を削ったか
ここまでが「見積もりを取るまで」の話です。でも私が本当に悩んだのは、このあとでした。
いちばん安い会社にそのまま決める、とはなりませんでした。私の住んでいるところはバスが30分に1本で、近くにスーパーもありません。車が動かないと、その日の暮らしが止まります。だから事故のときに人が駆けつけてくれるか、修理のあいだ代わりの車を借りられるか——そこを一つずつ調べることになりました。安さだけで選べなかった理由です。
その話と、実際に申し込んでみてどうだったかは、次の記事に書きます。今の保険が切り替わるのは11月末なので、そこまで見届けてから、ちゃんとご報告しますね。
【追記】後編を書きました。
→ 免許を取って40年、初めて自分で選んだ自動車保険|楽天損保に決めた理由と、申し込みの日のこと
※記事の金額は、私の車・等級・補償内容での見積もりです。条件が変われば金額も変わりますので、ご自身の数字はご自身で取ってみてくださいね。


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